展示会やイベントの展示につかう防炎の重要性について_防炎物品と防炎製品

某イベントにて展示品に火がついて小さなお子さんが亡くなられたらしいニュースをみました。ご冥福をお祈りいたします。

今回は木材で作ったジャングルジムの様な展示の中におがくずがあり、そこに電球かなにかで引火したようです。火種になるものの周りに「もえぐさ」になりやすいおがくずがあり、屋外ということもあり適度に空気もはいることで一番燃え広がる状況になってしまったと思われます。

さらに中に子どもが入って遊べるようになっているために逃げることも難しい状況だったのではないかと想像されます。

弊社ではポリエステルへの印刷加工を行っており、広告宣伝幕の防炎製品の製造認定を受けています。繊維製品も普通では燃えるので、今回のような「もえぐさ」になってしまう事も想定されます。

近年ビックサイトに代表される展示会場での防炎への意識の高まりや、ショッピングモールや地下街などへのチェーン店などの販促資材にもお客様のほうで防炎への意識が高くなっていますが、防炎品についてなかなか細かいことまでわからない場合も多いと思います。

広告宣伝幕だけでなく、アート作品や展示にもデジタルプリントした布が使われることが増えてきているため、今回のような事が二度と起こらないよう、一度防炎物品と防炎製品についてまとめてみたいと思います。

SLIDESHAREにも資料をアップしております。

また防炎物品と防炎製品の説明については防炎協会のサイトにあるパンフレットに詳しく載っています。

防炎物品パンフレット

防炎製品パンフレット

防炎は燃えないのではなく燃え広がらないこと

防炎は不燃とは違います。不燃はまさしく燃えない事です。

繊維製品は本来燃えるものです。防炎は燃えるのを自己消火して燃え広がらないように防炎薬剤を含ませることで防炎性能を持たせています。防炎加工された布は、万が一引火したとしても、防炎剤で自己消化し、燃え広がることがありません。

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防炎協会の防炎品の動画がわかりやすいです。なので、今回の展示のように、熱源と「もえぐさ」が近い状況では防炎品を使用するのがいい状況だと思います。

防炎加工は必要なのか?

防炎品は2種類あります。

(1)消防法で規制されている・・・防炎物品
(2)規制はされていないけど火災を防ぐために使用する・・・防炎製品

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普通の暮らしをしていると気にならないかもしれませんが、実は消防法で多くの人が利用する場所など特定の場所が決められていて、さらにその場所で使うアイテムによって消防法で「防炎規制」があり、必ず防炎加工が必要です。そしてその場合の防炎品のことは「防炎”物”品」と呼ばれます。

消防法で規制されている防炎物品にたいして、普段弊社が扱うのぼりや横断幕などの広告宣伝幕などは、「防炎”製”品」と分類され、消防法では規制されませんが、火災による死亡事故を防ぎ安全な暮らしを送るために公益財団法人 日本防炎協会(以降 防炎協会)が制定し管理しています。

防炎物品は場所とアイテムが法律できまっています。

消防法の概要ではこのように定められています。

(防火対象物)で使用する(防炎対象物品)は(基準以上の防炎性能を有する)もので無いといけない

防炎物品を設置しないと行けない建物や場所は防炎物品の種類と防炎規制の対象となる防火対象物として規定されています。該当の場所にある対象アイテムは防炎物品を使わなければいけません。

新しいお店を出したり建物を立てる時、展示会などの会期が始まる前に消防署の検査がある時に必ずチェックが入ります。

という点を踏まえると、今回の展示においては、屋外ということで「防炎防火対象物」ではないので、「防炎規制」にともなう防炎物品を使用する義務はありません。
とはいえ、火災によって安全が脅かされることを想定すると、とはいえ対策を取る必要があったと思います。

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では防炎品を使わなくていいのか?

消防法に定められていないため、防炎物品使用の義務はないと想定されますが、とはいえ燃える可能性のある状況下で使うものの場合は、防炎協会が定める「防炎製品」を使用するなどの対策を取ることは必要であるとおもいます。

防炎製品は消防法の規制対象ではありませんが、業界などが安全な暮らしのために使われる防炎品です。

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防炎製品はアイテムが決められていますが、防炎防火対象物が決まっていません。

最近はショッピングセンターや展示場などで不特定多数の人が出入りするような場所には、安全の為に防炎製品を使う場合が増えています。弊社で取り扱う商品のほとんどは防炎製品です。
ショッピングセンター以外でも、ガソリンスタンドなどでは一度火災になったときに甚大な被害が起こる場所である場合は自発的、積極的に防炎製品をおすすめしています。

燃える可能性がある場合は素材を考える

今回の件については、布ではなく木材のため全く当てはまりはしませんが、今後色々な方が商品作りや作品を作る上で布を使う場合はどうなるのかを考えるきっかけになったと思っています。

今回の作品については、防炎物品に該当するところがないので、消防法に関わる部分が当てはまらないと想定されます。

(1)屋外展示・・・消防法で定義されている防炎防火対象物ではない場所での展示
(2)対象アイテムでない

とはいっても、今回のように熱源と「もえぐさ」が近接する様な状況ではそれに準じた「防炎製品」をしようする方がいい状況ではあるかと思います。

また防炎製品にあたるアイテム出なかったとしても、火災による被害を抑えるために「防炎製品」の使用や、燃えにくい難燃素材を使う必要性はあるのではないかと思います。

今回も防炎協会さんともいろいろお話しましたが、いろいろな質問などあればぜひご連絡ください。