2017年中旬より防炎剤がより安全な新しいものに変わります
防炎薬剤の変更について
今回日本防炎協会の会合で詳細も発表されているDBDE(デカブロモジフェニルエーテル)規制について、今後は堀江織物としても世界的な環境への影響を鑑みてPOPs条約へ対応した防炎薬剤へのシフトを進めてまいります。
現在の防炎薬剤の在庫が切れ次第随時新しい防炎剤へのシフトを行います。それに伴い、印刷の仕上がりの変化や防炎加工単価が変わることがありますが、現在は新防炎剤の評価中になりますが、現在わかっている情報を取りまとめておきます。
普段の仕事をいただく中ではあまりでてこない言葉や単語もありますが、なるべくわかりやすくまとめていきたいと思います。
防炎加工などにおける法律など
POPs条約(残留製有機汚染物質に関するストックホルム条約)
化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律):POPs条約の国内担保法
なぜ防炎剤がかわるのか?DBDE規制の流れについて
2013年にノルウェーから提案されたものが検討を続けられ、この度2017年5月に開催されるCOP会議にてDBDEの規制が決議される予定になっています。
2013年7月 ノルウェーからDeca-BDEをPOPs条約の規制対象物質へ加えることが提案される
2013年10月 POPRC9検討委員会にてリスクの予測案をすすめることに
2014年10月 POPRC10にてリスク管理に関する評価案を作成することが決定
2015年10月 POPRC11にてPOPs条約上での適用範囲を特定することに決定
2017年5月 COP会議にて決議予定。その後POPsの規制対象物質に指定(予定)
2018年5月 POPs条約の国内担保法である化審法(化学物資るの審査及び製造等の規制に関する法律)が交付、施行(予定)
なにがかわるのか?
防炎剤の中に含まれている臭素系難燃剤の化学物質が変わります。
現行)デカブロモジフェニルエーテル(DBDE)
毒性コード 2B-10
↓
代替品)デカブロモジフェニルエタン(DBDPE)
毒性コード 2B-43
新防炎剤への切り替えの時期について
デカブロモジフェニルエーテル(DBDE)「フレームカット110R」の販売は2017年3月末に終了しております。その後防炎剤メーカーがDBDEを使用した防炎剤を製造して在庫していきますので、数カ月の猶予はあるかと思います。
新防炎剤による色表現の影響範囲について
現在新しい防炎薬剤による印刷の評価を行っております。
正式な評価については後日まとめますが、多少の違いは感じますが印刷直後の品質にはそれほど影響は無いかと思います。
ただ、時間経過後に印刷の色が黄変するという事象があるという話がありますので、こちらについても時間経過による観察を続けてまいります。
新防炎剤の値段について
現在防炎剤メーカーからの金額の提示をまっておりますが、多少の価格上昇が見込まれます。2017年1月現在まだ金額が決まっておりませんので、決まり次第随時ご連絡いたします。
防炎認定番号の新規取得をすすめます
新防炎剤に変わるため、弊社で現在取っている防炎認定番号を新しい防炎番号を取得していかなければいけません。現在その作業を進めております。