
アニメグッズ製作工場へ潜入!
\本記事は大学生のインターン生が5日間堀江織物株式会社に所属し/
\社内をインタビューして制作した会社紹介です。/
布への印刷会社として、主にのぼりなどの旗幕を製造加工していた堀江織物株式会社。
時代の流れに合わせ、デジタルプリントをいち早く導入するなど、新しいことに日々取り組んできました。
のぼりだけを扱ってきた堀江織物株式会社が、近年アニメグッズを制作しはじめたのには、
そんな“新しいことに挑戦する”という企業としての信念からでした。
私たちはインターン生として堀江織物株式会社で就業体験を行いました。
その中でアニメ好きとしても、自分たちが普段使っているアニメグッズが、どのように製作されているのかを知りたくなりました
そして製作されている方々の想いを感じ、品質へのこだわりを知ることができましたので、その様子をレポートします。
創業からアニメグッズを製作するようになるまで
創業時は、愛知県尾州エリアで繁栄をつづけていた織物業として堀江織物株式会社は生まれました。
その後のオイルショックが起こり織物業を断念することになりました。その後の事業として選んだものは工場跡地を利用した家具屋と家具屋向けの販促物の卸売業でした。
家具屋に向けた卸売業の中で人気があった「大売り出し」などののぼりの製造を外注していくなかで、当時納期を守ることや品質を守るという当たり前のことができない工場に見切りを付け、昭和63年に自社製造に切り替え、当時導入が始まっていた自動捺染機を導入しのぼり旗や横断幕、懸垂幕などの布の印刷業をはじめました。そして2000年ごろにはデジタルプリントが登場し現社長がいち早くデジタル部門として製造を開始しました。当時はまだデジタル染色は馴染みも薄く、印刷品質も低く時間のかかるレベルでした。
デジタルプリントも進化し、印刷規模も増えていく中で、常に新しいことに挑戦するという会社の方針の中、自社の高品質なデジタルプリントと縫製力で旗幕以外に何ができるか、と考えたものがアニメグッズを始めとしたOEMグッズ製造でした。
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アニメグッズを製作し始めた経緯を聞き、アニメ好きなインターンとしては私たちが普段買っているアニメグッズは、どんな風に作られているのか就業体験を通じて知りたくなりました!
そこで堀江さんにアニメグッズを作ってるところを見てみたいとお願いしてみたところ…
改行
なんと…?!
改行
「実際に自分たちでアニメグッズを作る?」と提案していただき…
私たちは実際にアニメグッズを作らせていただくことになりました!!!
自分たちのオリジナルグッズを作成しながらどうやってアニメグッズができ、社員の方がどのような思いで製造をしているかを探ってみたいと思います。
アニメグッズを作る、デジタルプリント工場へ潜入!
アニメグッズの豊富なラインナップ!
まずは。本社事務所にて普段製造しているアニメグッズのサンプルを見せていただきながら、何を作ろうか考えました!
タペストリー、布ポスター、クッション、ミニクッション、抱きまくら、シュシュ etc…
様々なものがあり、私たちはその中から45センチのクッションカバーを作らせていただくことになりました!
クッションカバーを作ることに決めた後は、具体的な製造の打ち合わせでまずは生地を選びます!
お客様のニーズに対応するうちに200種を超える生地に対応するようになり、今回はその中からクッションカバーによく使われる生地の中から選ぶことにしました。
何を作るかによって、布を変えるのはもちろんだそうですが…
和風の布、印刷がきれいにのる布、触り心地のいい布など、アニメの世界観によっても布の種類を変えるそうです!!!
受注書で品質を守り、一品一様を管理する
布の種類やサイズ、縫製の仕様などが決まったら、受注書の作成やデータの編集を行います。
ひとつづつの仕事に対する各種使用を1枚の受注書に打ち込みシステムに登録します。
「どうして受注書を作成するのですか?」
私たちの質問に、社員さんはこう答えてくれました。
「理由はミスを起こりにくくするためです!印刷や縫製など、商品に多くの人が関わるので、ミスが起こってしまうリスクがあります。
しかし、受注書があることによって、人から人へ伝わりやすくなり、ミスが起こりにくくなります。また、お客様のために、過去に頼んだ商品のリピート注文に、すぐ対応できるようにもしています。」
こうしてすべてオーダーメイドのオリジナル商品を会社全体で管理し、納品日に向かって製造されていることを知りました。
デザインデータを印刷データへ編集
注文を受けたものに使われる画像の微妙な色やサイズをチェックして調整します。
入校データのカラーモードや、解像度、サイズ、塗りたしなどをすべてチェックして、不明な点などはすべてお客様に確認をしてすすめています。調整されたデータはデジタルプリントを行うオンデマンドプリント工場に送られます!
私たちも実際にデータを用意して、データ編集してみました。
いざ、プリント!鮮やかな発色に驚く!
1.転写紙にプリント
先程、チェックして完成したデータを生地幅にあわせて面付けしたデータを転写紙に印刷します!
あれ…?データより紙の色が薄いけど大丈夫?と不安に思っていたのですが、社員の方が「次の工程に行きます!」というので、少し不安に思いましたが…ここでの工程はこれで完了し次の工程に進むことになりました。
2.布に発色しプリントする(昇華転写印刷)
転写紙にプリントされたものを布にプリントしていきます。
転写紙にはポリエステル専用の分散染料というインクを使用していて、分散染料は高温の熱をかけることで鮮やかな発色がうまれる性質があるようです。
転写紙プリントや転写での工程で特に気をつけていることを聞きました。高品質のプリントを安定的に行うのにいちばん重要なのは、転写紙と布を発色機に対して、中央にまっすぐに入れることだそうです!
まっすぐにしなければ斜めに印刷されてしまったり、印刷のズレがでて不良が発生するので、いつも慎重に作業しているそうです!
あっという間に発色が終わり、プリントが完成しました!
発色が終わったらすぐに触ってしまっても、色は発色し乾いていました。
難しいヒートカットに苦戦してプロの凄さを学ぶ
印刷が終わると、完成した布は本社縫製工場へ送られます。縫製工程にすすむとまずはすべての印刷物をチェックして印刷の汚れなどが無いかを確認します。ここで汚れがあった場合は印刷工程に戻します。
そして、加工するサイズへ余分な布をカットしていきます。
織物の布は普通、ハサミなどでカットしてしまうと切り口がほつれてきてしまいます。
しかし、ポリエステルをカットするヒートカッターは切り口を溶かしながら切り、切り口を溶かして固めることで、切り口がほつれなくなります!
すごい!
布をヒートする工程で大事になってくるのは、布をカットする速度です。
薄い生地や厚い生地があるので、布によって速すぎるときれなかったり、ゆっくりすぎるとダマになってしまったりします。
ヒートカットをしてみて…力の入れ加減が難しかったです!
布によって、力加減が変わるそうで…本当に難しいなと感じました。
ひとつひとつ丁寧に縫製
プリントして縫製するサイズにヒートカットした布を使って、いよいよミシンで商品を完成させていきます。
デザインの色にあわせてミシン糸の色を変えているそうで、その理由はミシンの縫い目がデザインの邪魔をしないように糸を目立たせないようにするためです!
また、布の種類によって、針の穴が目立たないように、ミシンの縫い針の太さも変えているそうで、こういう心遣いもお客様に支持される理由なのかなと思いました。
そしてついに…
完成しました!!
思わずテンションが上がり、笑顔になっていまいます。世界に一つのオリジナルデザインクッションの完成です。
袋詰・梱包までこだわる品質
今回は出荷しませんでしたが、普段は商品は箱詰めされ全国に出荷されていきます。
商品ひとつひとつを袋に入れてダンボールに入れていきます。普段は振り分け出荷などにも対応して100個以上の荷物を送ることも多くあるそうです。
せっかくいい商品をつくっても、梱包が雑だとせっかくの商品が台無しになってしまいます。
なので最終工程でも気を抜かず、商品ひとつひとつを丁寧に梱包し、丁寧にダンボールに詰めている所にすごく感動しました。
納期に間に合わせることはもちろんですが、汚れがないかひとつひとつ点検しながら梱包をされているそうです!
商品を受け取る人が笑顔になってもらえるように仕事をしているそうです!
高い品質を保つ堀江織物株式会社。何か秘密があるのでしょうか?
今回自分たちのオリジナルグッズを作って感じた堀江織物株式会社さんの秘密をマーケティング部部長の堀江賢司さんにお伺いしました!
職場の雰囲気を明るく楽しくするように心がけています。
毎日商品を作る中で、働いているメンバーが疑問に思ったことや、改善するべきだと思ったことを積極的に話していけるようなフラットな環境づくりを心がけているそうです。ものづくりをする中で小さなトラブルや、印刷不良や汚れ、生地の不良などは毎日起こってしまいます。そういうときにこそ風通しをよくすることで原因が明確になり改善を続けることができます。
また社員同士でも切磋琢磨することができ、社員のモチベーションが高まると思います。仕事に熱を入れ、商品の品質の向上に繋ぐことができることを目指しているそうです。
日々、今までやったことのないことに挑戦しています
社内では、「今日は昨日より1%良くする」ということを心がけています。
例えば、今日悪かった環境を、明日急に良くすることは難しいですが、毎日コツコツ積み重ねることで、とても大きな成果となります。
また、品質に挑戦していくという意味でも、今日よりもっといいものを作り上げる精神を持って、挑んでいるということでした。
仕事のやりがいは品質の向上にも繋がります
今回働いているメンバーの方にも同時にインタビューをしました。
デジタルプリントを担当するオンデマンド事業部の皆さんは、この仕事にとてもやりがいを感じていると教えてくれました。街で自分が作ったものが実際に使われているところを見るとても嬉しくて家族とも話をするそうです。
また、事業部内でも社員ひとりひとりを気にかけてくださるおかげで、とても働きやすい環境でもあります。メンバー全員で良い商品を作り、会社に恩返しをすることができたらいいなと考えて、働いているということでした。
挑戦が楽しい職場、それが堀江織物株式会社
仕事では一度うまくいったのに、次作るとできなくなる時があります。
試作ではできたのに、本番になるとできなくなったりする…それがこの仕事の難しいところです。
そういった難しい場面をみんなと笑顔で乗り切ることができるのがこの職場では実現できていると思います。目の前で0から形が見られるこの仕事は、とても楽しく、挑戦していくことを求められるこの堀江織物株式会社はすごく魅力的だと感じると聞きました。
一貫生産
プリント工場の多くは印刷だけ行い、縫製工程は外注し、他社の工場で行われているそうです。
しかし、堀江織物株式会社さんでは、社内一貫体制で、縫製加工まで行っています。
一貫生産を行うことで、商品に目が届きやすくなるだけではなく、複雑な加工への対応や短納期が可能になり、お客様の多様なニーズに応えることができるようになるそうです。
まとめ
インターンシップとして工場を見学させていただき…
・想いのシンクロ
経営者さんの想いと社員さんの想いがシンクロしていらっしゃっているところがとても印象に残りました。
堀江織物株式会社さんの社員全ての方の想いがあってこそ、商品の高い品質が保たれているのだなと、感じることができました。
・品質から梱包まで
品質はもちろんのことですが、梱包まで丁寧になされていて、アニメファンの立場からしても、とても感激しました。
また、アニメの世界観を出すことができるように、たくさんの種類の布を取り揃えられているということにも、感激しました。
・お客様に寄り添う
そして、品質はもちろんそのままで、他ではあまり行われていない一貫生産などを通じて、納期を早くするという努力にとても感動しました。
お客様のことを第一に考え行動している姿が印象的でした。
5日間のインターンシップで堀江織物さんを見学させていただき、お客さんのことを深く考えて作られたものが私達の手元に届いているのだなと見ることができて良かったです!
この度は短い間でしたが、お世話になりました。楽しかったです!
本当にありがとうございました。